昨年は,妻の調子の悪い時に演奏会が続いた年でした。
4月下旬に脳へ転移が見つかる。
3度目ということもあり放射線治療も予後の面で痴呆化が避けられないし,脳幹への再発では外科的手術も困難を極め,そんな時に5月3日に伊丹市で行われた「コールセコインデ・九州フレッシュメンコア・金沢メンネルコールジョイントコンサート」に日帰りで出かけたのでした。
7月下旬に腹水が溜まり始める。
8月1日に金沢市文化ホールで行われた「室生犀星生誕120周年演奏会」を歌わざるを得なかった。
8月17日から全身性転移肝がんで入院。
10月4日に七尾市サンライフプラザにて行われた「メディカルサロンななお合唱団演奏会」にラ・ムジカ一員として歌い,翌々日に妻は逝ってしまった。
再発がんは治らない!
最後に治療にあたった主治医は,妻にそう断言した。
がん患者の心の支えは日常的であり空想的で些細なことだ。
子どもの成長を見届けたい。
白い海辺に見渡す限りの青い海原,そんなところに行ってみたい。
夫の食事を作ってあげたい。
そうして妻が頼りとしていたはずの私は,歌いに出かけていたのでした。
歌いに出かけたとして感謝してくれる人もいないのに・・・。
過ぎし200Q年,私に悔いの残る年でした。
新しい年を迎え,真っ白な1月に合唱予定を書き込んでみれば14日に色が入り,そのうち2日が重なっている。
予定が詰まっていくカレンダーは見た目には忙しそう。
でも何だか寂しくて空しい。こうして1年過ぎていくのだろうか?
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