離縁状の別名である「三行半(みくだりはん)」は,江戸時代に庶民が離婚する際に,夫から妻(または妻の父兄)に宛てて交付する,離婚を確認するもので,去状(さりじょう)とか暇状(いとまじょう)なんて時代劇で耳にします。
それを,3行半で書く慣習があったために三くだり半(三行り半,三下り半)と言ってたそうです。
以前私が書いた福井県立図書館で,日本で最も古い「三くだり半」が文書館に展示してあった(8/29~9/15の間だけですよ)。 これまで最古と思われていた,元禄9年(1969)8月3日の「手間状」や元禄9年8月22日の「三行半」より,10年も古い貞享3年(1686)11月21日に書かれた「去状之事(さりじょうのこと)」が,どういうわけか福井に残ってたのです。
内容は,今の越前市に住んでいた次兵衛が,妻のお滝とその父あてに,「今後,だれと縁組しても,まったくかまわない」と本文を3行半でしたためてあるが,さっぱり読めない代物。
去状之事
我等女自今以後何方江ゑん
へんニ付候共 又ハ何様之義
有之候共毛頭かまい無之候
乃(←人偏が付きます)而去状如 件
貞亨三年 国兼村
寅ノ 次兵衛 判
十一月廿一日
中津原村
三郎兵衛殿
同娘
お滝との
きっと次兵衛は,若い娘に入れあげたに違いない! ひょっとして羨ましいんじゃない?ご同輩方。
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