タイトル(いちきゅうはちよん)は,日本で一番ノーベル賞文学賞に近いと言われている村上春樹さんの新書です。
「あなたの空に月はいくつ浮かんでいますか?」
あるいは,
ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984」に対し,逆の方向から84年を描いた「近過去小説」
たったこれだけの前宣伝で,すでに増刷ラッシュのメガヒット作品となっている。
ちなみに私は,発売日(5月29日)に大阪梅田の紀伊国屋書店で「1」を購入したが,昨夜,それを一気に読み終えた。
今夜の La Musica 練習だって使い物にならないのに,練習後に「2」を読んでしまうと明日は更に寝不足でクズ鉄以下の粗大ゴミだろうな。
エルサレム賞を受賞しに行くのならボイコットするとさえ言われながら,彼は,授賞式後(2月15日)に英語で気高いスピーチをしたのは記憶に新しいところです。
「高く,固い"壁"と,それにぶつかると割れてしまう"卵"があるとき,僕はいつも卵のそばにいる」
どんなに「壁」が正しく,どんなに「卵」が間違っていようとも,僕は「卵」のそばに居続けます。
どこかの誰かが「何が正しくて,何が間違っているのか」を決めるとき,それはおそらく時間と歴史が決めるのでしょう。
けれどもし,どのような理由があろうとも,壁のそばに立って仕事をする小説家がいたとしたならば,その作品にはどんな価値があるというのでしょうか?
この「言の葉」に詰まった重みに感銘を受けなかった日本人はいなかったのではないでしょうか。
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