平成16年度に施行された「研修医制度」が様々な問題を引き起こしている。
今日も,「島根県・隠岐島にある唯一の総合病院である隠岐病院の産婦人科医が今月15日からいなくなることになり,島の妊婦は出産を前に海を渡り,約80キロ離れた松江市などでお産することになる」と報じられている。
4月から10月にかけ出産を予定する妊婦が約60人もいるというのに,遠方での出産に伴う経済的出費や精神的苦痛が如何ほどか想像に難くありません。
卒後医師は,2年間は専門の分野に属さず,内科6ヶ月,外科および救急部門(麻酔を含む)6ヶ月,小児科,産婦人科,精神科,保健地域医療などをそれぞれ3ヶ月必修とする7分野を一定期間ずつ回る「スーパーローテート方式」が「研修医制度」。
新制度では,研修医は月額30万円程度で研修に専念しなければならず,アルバイト診療は事実上禁止されるため,従来のように大学病院の診療科で研修と雑用係りを担っていた人力がゼロとなったのです。
そうして大学から派遣していた医者を引き上げ結果的に地方(特に僻地)病院の医者が減ってしまったわけです。
また,少子化と出産時障害における医療訴訟で産婦人科を敬遠する弊害も発生し,隠岐島のような事態が全国的に起きるだろうといわれているのです。
産めよ増やせよ・・・っても,医者もいないのにどうすりゃ良いのでしょうか。
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