藤原正彦さんが書かれたベストセラー。
新田次郎・藤原ていの次男の方が私にはすんなり理解できるのですが,著者は,欧米の「論理」「合理性」に対して形骸化してしまったかのような日本の秩序・情緒・道徳観を国際人の立場から指摘されているのです。
小学校からの英語教育に関しても重要な事がこれに書かれていました。
明治初年の頃,多くの日本人が海外に留学しました。彼らのほとんどが下級武士の息子でした。
福沢諭吉,新渡戸稲造,内村鑑三,岡倉天心・・・。
彼らの多くは欧米に出向いていって,賞賛を受けて帰ってくる。
エチケットも英語も世界地理さえ知らず,それでも尊敬されて帰ってきたのです。
彼らの身につけていたものは,日本の古典と漢文,そして武士道精神でした。
美しい情緒と形で武装していたわけです。
正確な英語で話し合えるに越したことはありませんが,カラフルな挿絵や写真ばかりになった薄っぺらな教科書。
「なにげ」に見逃す四季の色合い(今は桜の風情)を教えてあげたいな。←と,品格欠如の私が言うのも何だけどさ。
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