金沢歌劇座館名改称記念,歌劇「カルメン」を観てきました。
母の見舞いに金沢医療センターを行き来した1週間,毎晩のようにフラメンコを演じる女性たちや,出演者の打ち合わせの姿がホールガラス戸越しに見え,練習の成果があらわれていました。
そして,長蛇の列に並び,席に座ってポケットから取り出したのは,オペラグラスならぬ双眼鏡。
衣装・化粧をしっかり観察するためにね。
OEKが満員の観客を引き込む序曲を奏で,マラドーナを劇的に描いた緞帳が上がる。
第1幕,セヴィリャの町のとある広場。
兵隊(当団W谷さん下手側に)の合唱。上手い(化粧も)! スニガ隊長,純情ミカエラ,ドン・ホセが登場。そして,タバコをくわえた女工と男達の「鐘が鳴った」の合唱から一気に興奮を加速。
そこに,小泉詠子さん演ずる妖艶なカルメンが登場して,「恋は野の鳥」。こんな風にハバネラを歌える歌手が地元出身とは嬉しいことです。
そこには地元の田舎合唱団はおりません。どこへ出しても通用する立派な合唱を聞かせてくれていました。舞台も,セットで遠近を入れ,照明も簡潔かつリアル。
タバコ工場が大騒ぎになり,女工さん達が飛び出して来て,マリ子(合唱団員)さんの白い太ももと演技が決まっていました。連れ出されたカルメン,後ろ手になり「セギディーリャ」,もうベテランの雰囲気。ウブなホセ役の志田雄啓さんが適役。
第2幕,リーリャス・バスティーアの酒場。
ダンスにうっとり。早速,双眼鏡でジプシー・ウォッチング。踊るジプシーの後ろに亀○団長さんがレンズに飛び込んで慌ててレンズを仕舞う。闘牛士エスカミーリョがカッコ良くて演歌調。
やつれたホセと再会するカルメン。例のカスタネットを両手で鳴らしながら,したたかに歌う小泉カルメンに帰営ラッパでジレンマのホセ。
密輸の仲間達とカルメンが歌う五重唱がコミカルで圧巻。唸る。字幕が時々ずれたっけ。
第3幕,荒涼たる岩山。
照明が,ここで休憩する密輸人たちを岩のように見せていました。ホセが去り,カルメンの仲間のメルセデスとフラスキータでカルタの三重唱。ここでも合唱団が,衣装共に良いんです。次に,ミカエラがホセを探してやって来て,熱唱(私自身,やや熱睡)。
第4幕,セヴィリャ,闘牛場のある広場。
フラメンコの群舞。単調になりがちな踊りも,飽きの来させぬ振り付けでステキでした(双眼鏡で...)。子供たち,入りの難しい合唱「来たぞ!」を決め(大人がコケたけど),華やか(だけど,この時間まで歌わせて大丈夫?)。
合唱団員も衣装替え(裏ではスタッフが大変なんだろうな)。カルメンも正装して登場。ホセが心情を切々と訴えるものの,しつこいとカルメンに一蹴。競技場の歓声。指輪を投げ捨てるカルメンに逆上し,ホセがナイフで刺して,崩れるカルメンを抱きしめるホセ。
いやぁ~,感動でした。拍手・拍手。少なくても後3日間は公演して欲しいもの。
歌劇座に改称し,本格的な歌劇をこの目で観られた喜びと,この地でオペラを演じられる合唱団が存在していることを確認できたことに感動です。ボランティア・スタッフ全員,グッドジョブでした!伝説の誕生です。
To be continued!
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