「がん」と宣告された人にしか分からない絶望感。
いろいろな情報や知識を慌てて仕入れ,それについて相談できる人がいることだけで「がん」と立ち向かう気力も違ってきますが,相談する相手がいないという環境の方もおられるでしょう。
そもそもがん細胞は,(1) 高い増殖力,(2) 細胞の不死化(細胞分裂の回数に制限がない),(3) 周辺組織への浸潤・体内の離れた部位への転移,という三つの大きな特徴を持っていて,正常な細胞を犠牲にしてがん細胞を叩き,転移や再発の防止する化学療法(抗がん剤)で治療されているのです。
そして問題山積の厚生労働省は2日,胃がん・肺がんなど38の臓器がんについて,化学療法で使用する抗がん剤の組み合わせ(レジメン)の使用実態を報告し,入院・外来で使用頻度が高い化学療法のレジメンが,標準化になりつつあるようです。
「胃がんのレジメン」では,シスプラチンとテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム併用の使用率が20.1%で最も高く,テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム16.9%,シスプラチン13.9%,パクリタキセル9.1%と続き,このトップ4で累積使用率が60.0%となっているものの,そ
れでも腫瘍マーカーが高くなれば,あとは医師の経験にすがるしかないのが現状です。
「乳がんのレジメン」でも,私は多くの製剤を目にしました。肺・子宮・肝臓などへ転移を繰り返す度に医師を信じ,新たに投与する製剤の効果・副作用を調べについて不安を覚え,立ち向かうの繰り返しです。
時には,社会常識に欠ける医師もいるのです。こんな医師は「がん治療」に適していません。もっとも全ての患者にも不適医師ですが・・・。患者や家族にとって,医師の献身的な治療はもちろん,治療現場のスタッフの言動にも心が揺らいでしまうものなのです。
昨日3日(火)放送のクローズアップ現代『自分の細胞で病気を治す~再生医療最前線~』では,これまで治療法がなかった病気を,患者自身の体内にある「細胞」を用いて治す「細胞治療」が広がり始め,糖尿病,動脈硬化,肝臓病,重い心臓病,脳梗塞の治療が始まったと報道されましたが,がん治療にも遺伝子治療が日の目を見ようとしている。
何とか間に合って欲しいものです。
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