武家料理を楽しむイベント「金沢の豪華なお正月を楽しもう」が昨日,橋場町の金城樓で行われた。
加賀藩の時代から伝わる振る舞い料理として,お節料理やタイトルの婚礼料理「大鯛の唐蒸し」の実演とその味に舌鼓を打った。
このイベントは新聞で募集され,昨年末にANAクラウンプラザホテル金沢「雲海」でご一緒した4名に声を掛けたものの3名は都合で不参加となり,結局2名で参加した。
この日(25)の雪は,チラホラ舞って市内に渋滞を及ぼすものではなかったが寒さは厳しく,金城樓の玄関を入ったところには風格漂う火鉢が1つあるだけ。
暖房というより,暖を取るだけの火鉢。
今回のイベント定員80名全員地下「平成の間」に移動し,土屋兵衛5代目社長の解説と中村弘明料理長による実演が始まった。
金沢の婚礼の際のしきたりのようだが,嫁方から持参した鯛を婿方で調理する「鯛の唐蒸し」が見事な大鯛で始まり,「うの花」をたっぷち詰め込んだ。
武家文化では,魚の腹を開くことはタブーであり,背開きされて詰め込まれる。
「うの花」は,おからと7種類の野菜(笹がき牛蒡,木耳,銀杏,蓮根,人参,椎茸,麻の実=7福神)で,手早くさっさと作る様は流石。
加賀伝承料理「治部」(金城樓では「治部煮」とは言わないらしい)も,合わせ味や作り方の解説があったが,合鴨は片栗粉ではなく小麦粉を使うことなどの但し書きに,参加者の9割近くを占める女性たちは一応に頷きあっていた。
席を移して,2階110畳の大広間「丹頂」で会食。
始めに「祝い重」。お菓子は,能登産大粒黒豆が入った「黒豆大福」。
次の「雑煮」は写真を撮る前に戴いてしまいました。上品な出汁が何とも言えず美味しいものの角餅がお椀にくっ付いていたのは,大勢に振舞うために仕方がないことと食した次第。
「造り」(鱈子付けと甘海老より「つまもの」の方が目立ってました)
こうして会席を終えた後,金城樓の各部屋を案内されて解散。
豪華な気分に浸りながら,次にこの老舗で格調高い金城樓本店を訪れる機会があるだろうか...,と貧乏性の私は悲しくなったのでありました。
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