7(土)に,オペラ「高野聖」に参加した合唱団員有志,指導された香田先生,世話役の方々の20名弱の新年会があった。
年を越しても新作オペラを成し遂げたという強い自負心と達成感はいささかも薄らぐこともなく,参加できて良かったなという思いと,冥土への土産話に花が咲きっぱなしである。
昨年12月に金沢と高岡での2公演は,私たちボランティア合唱団にとっても非常に厳しい練習スケジュールで,序盤はともかく,本番近くになると運営に当たっていた(財)金沢芸術創造財団の方々も半分怒ってしまうようなドタバタ状態もありました。
連絡ミス?そりゃ仕方ありませんて。
私らアンタ,文句も言わず言われたように動くだけ合唱団員なのですから。
== 男を獣に変える妖艶な美女 ==
このキャッチフレーズを生かす動きをするのが私たち黒衣姿の合唱団です。
立ち稽古や通し稽古でも演出さんの言われる通り,昨日と違うよなぁんて不平を言うことなく,皆さん必死でしたもの。
『滝』のシーンでは,「上人(しょうにん)」が通ると直ぐに彼の姿を隠すために中央に寄り,立ち上がったり,はたまた両脇に散ったり大変!
シュワシュワ...,キキ~ッ,ハァ~ッなどの獣の声なんざ吐息状態で「f(フォルテ)」「p(ピアノ)」を使い分けて出すなんて無理な注文が続出。それでもやりましたぜ!
私自身,最初の頃はMネル男声合唱団の定演練習と重なり参加できなかっけ。
中盤以降からの参加のため,オペラ全体の流れが掴(つか)めず,立ち稽古から主演のソリストたちが加わって初めて全体を理解したという,不出来な輩(やから)でありました。
高岡公園の本番前に楽屋でパシャ!
上左:松下 京介さん(合唱指導),上右;鴨川 太郎(私)さん,下左;豊島 雄一(親仁)さん,下右;子役の江藤くん
鬘(かつら)をつける前の主演「上人」役の中鉢 聡さんとパシャ!
右の黒衣女性は,「蛭(ひる)の森」シーンで1匹と指差した方。
いやもう,本番前の緊張している時に楽屋に乗り込んで写真を撮るなんてロートルの私くらいしかできません。ホント,ご迷惑お掛けしました。でも皆さん,あたたかく写真に納まっていただきました(無修正で載せたのでご容赦ください)。
わが国の新作オペラ事情として,再演がなかなか出来ないのが問題となっています。
これは,オペラそのものの完成度や経費の点がネックなのです。
その点,今回の「高野聖」に関して,作曲者池辺 晋一郎さんの代表作の1つに数えても良いと思えるくらいの作品であり,脚本・演出の小田 健也さんのイメージの適った出来栄えではなかったでしょうか。
観た友人・家族からも大絶賛。
字幕モニターを設置した方が良かったかどうか分かりませんが,(上人)中鉢さん以外の方の言葉が不鮮明だったようです。
つまり再演に関して,質が良いわけで,あとは予算の問題だけ。
文化は「官」がタッチすることではないと,大阪では大幅な予算カットを強いられている大阪フィル。
公設会場建設の予算縮小・凍結が,結果として新作オペラの誕生・上演を阻害することになるのだが,この不景気では何とも言えませんわ。
ベルリン発10日のロイターによると,かの大作曲家ベートーベンですら苦しい経済状況だったとの見出しが出ている。
53才の時に書いた手紙の中で,患っていた目の病気のことや,おいの学費などで経済的に厳しい状況にあること,有名なミサ曲「ミサ・ソレムニス」の買い手がいないかなど切々と訴えている。
ベートーベンですら大変だったんです。
陽はいずれ昇る! ←いずれ報われる,そうでなくっちゃ!
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